AWSでサイト高速化!Amazon CloudFrontの導入と活用方法
目次
Amazon CloudFrontとは何か?
Amazon CloudFrontは、Amazon Web Services(AWS)が提供する、高速でセキュアなコンテンツ配信ネットワーク(CDN)サービスです。Amazon CloudFrontを使用することで、Webサイトのパフォーマンスが向上し、ユーザーエクスペリエンスの向上につながります。世界中のユーザーがアクセスするWebコンテンツを高速かつ低遅延で配信するために使用されます。
CDNとは?
CDNとは、Content Delivery Network(コンテンツ配信ネットワーク)の略称で、世界中のユーザーがWebコンテンツにアクセスする際に、コンテンツを配信するためのネットワークサービスです。サーバー(エッジサーバー)を複数の国・地域に配置し、コンテンツを最も近い場所から配信することで、ユーザーの待ち時間を短縮します。
例えば、日本にあるWebサイトにアメリカからアクセスする場合、本来であれば遅延が発生しますが、CDNを使用すると、アメリカにあるエッジサーバーからコンテンツを配信することができ、アクセス時間を短縮することができます。
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なぜWebサイトの高速化が必要?
Webサイトやアプリケーションは競合他社も含めて現在多数構築・設置されているのが普通です。また、Webサイトの訪問者は、コンテンツを見つけたいと思い、検索エンジンを使用してサイトを訪問する場合が多いです。この場合、Webサイトのロードが遅いと、ユーザーはそのサイトを離脱して、競合他社のサイトを訪問する可能性が高くなります。具体的には、3秒以上Webサイトのロードがかかってしまうと、他のサイトに移る確率が高くなるとされています。
※出典:Webページの読み込み時間、3秒が限界か – 5秒になると直帰率激増 | TECH+(テックプラス)
Amazon CloudFrontによるキャッシュの原理
Amazon CloudFrontは、複数のデータセンター(エッジロケーション)に配置された高速なサーバーで構成されています。これらのエッジロケーションには、Webサイトを構成する画像やhtmlファイルなどのキャッシュされたコピーが保存されます。ユーザーがWebサイトにアクセスすると、最も近いエッジロケーションが選択され、キャッシュされた静的コンテンツが提供されます。これにより、Webサイトの配信時間が大幅に短縮され、ユーザーの待ち時間を減らすことが可能になります。
Amazon CloudFrontを使用する理由とメリット
Amazon CloudFrontを使用する最大の理由は、高速で安定したコンテンツ配信を実現できることです。Amazon CloudFrontは、Webサイトの可用性を向上させ、ユーザーエクスペリエンスを向上させるために、以下のようなメリットがあります。
- 高速かつ低遅延の配信…Amazon CloudFrontのエッジロケーションにキャッシュされたコンテンツが最も近い場所から配信されるため、高速で低遅延な配信が実現できます。
- スケーラビリティ…Amazon CloudFrontは、世界中のユーザーにコンテンツを配信するためのスケーラビリティが高く、大量のトラフィックを処理できます。
- セキュリティ…Amazon CloudFrontは、大量のアクセスを分散することができるため、DDoS攻撃など、Webサイトに負荷をかける攻撃に対して一定の軽減を行うことができます。
- コスト効率…Amazon CloudFrontは、アクセス数などをベースとした従量課金制をとっています。したがって導入に向けた初期投資が少ないだけでなく、コスト効率も優れています。
Amazon CloudFrontの設定方法と基本機能
Amazon CloudFrontの設定方法は?
Amazon CloudFrontを設定するためには、以下の手順を実行する必要がありますが、基本的に数クリックで設定が完了します。設定方法は多岐にわたりますが、簡単な設定方法について下記に記載します。
- AWSマネジメントコンソールにアクセスし、Amazon CloudFrontを選択します。
- 「Create Distribution」を選択し、コンテンツの配信先を設定します。
- 配信元の設定を行います。配信元はS3やEC2などのAWSサービス、またはカスタムオリジンを選択できます。
- .配信先の設定を行います。ここでは、配信するコンテンツの種類、キャッシュの有効期限、エッジロケーションの設定などが行われます。
- オプションの設定を行います。ここでは、セキュリティ、ログの保存、カスタムドメイン名の設定などが行われます。
- 設定の確認と変更が必要な場合は修正し、完了をクリックして設定を保存します。
Amazon CloudFrontの基本機能は?
Amazon CloudFrontの基本機能には以下があります。
- キャッシュの制御…Amazon CloudFrontは、コンテンツのキャッシュを制御することができます。キャッシュの有効期限、更新頻度などを設定することができます。
- データ圧縮…Amazon CloudFrontは、コンテンツを自動的に圧縮して、配信時間を短縮します。
- オリジンフェイルオーバー…Amazon CloudFrontは、EC2などのオリジン(配信元)がダウンした場合に、代替のオリジンに自動的に切り替えることができます。例えば、EC2がダウンした時にSorryページに切り替える、といった対応が可能です。
- カスタムSSL証明書…Amazon CloudFrontは、Amazonが発行した証明書や、カスタムSSL証明書を使用して、SSLを実装することができます。これにより、セキュアな通信手段を確保することができます。
Amazon CloudFrontを使用してWebサイトの配信速度を向上させる方法
- Amazon CloudFrontを使用してWebサイトの配信速度を向上させるためには、以下のような方法があります。
- エッジロケーションの最適化…Webサイトのユーザーが多い地域にエッジロケーションを設置することで、配信速度を向上させることができます。
- キャッシュの最適化…キャッシュの有効期限を最適化し、頻繁に更新されるコンテンツにはキャッシュを適用しないようにすることで、配信速度を向上させることができます。
- コンテンツの最適化…コンテンツを圧縮し、軽量化することで、配信速度を向上させることができます。また、画像や動画などの、アクセスによって変わることがないコンテンツについてはS3などから配信するようにするといいでしょう。
Amazon CloudFrontを使用してWebサイトの可用性を高める方法
Amazon CloudFrontを使用してWebサイトの可用性を高めることも期待できます。具体的には、以下のような方法があります。
- オリジンフェイルオーバーの設定…Amazon CloudFrontは、オリジンフェイルオーバーの設定によって、カスタムオリジンがダウンした場合に代替のオリジンに自動的に切り替えることができます。
- DDoS攻撃からの保護…Amazon CloudFrontは、DDoS攻撃からWebサイトを保護するためのサービスを提供しています。これにより、攻撃によりダウンすることが少なくなるため、Webサイトの可用性を高めることができます。またAWS WAFなどの、AWSマネージドのセキュリティサービスとも連携が容易です。
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まとめ
Amazon CloudFrontは、高速でセキュアなコンテンツ配信ネットワーク(CDN)サービスであり、Webサイトのパフォーマンスを向上させ、ユーザーエクスペリエンスを向上させることができます。
Amazon CloudFrontを使用することで、高速かつ低遅延の配信、スケーラビリティ、セキュリティ、コスト効率などのメリットを得ることができます。Amazon CloudFrontを使用するにあたっても、数クリックで設定が完了するため、導入が非常に簡単です。
より効率的にAmazon CloudFrontを使うためには、エッジロケーションの最適化、キャッシュの最適化、コンテンツの最適化などが有効です。導入の際には専業のベンダーに相談してみるといいでしょう。