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AWS活用支援コラム

AWSが選ばれる6つの理由

ITシステムを構築する上で、AWS(Amazon Web Services)は近年様々な会社で利用が増えています。どのような理由でAWSの利用が増加しているのか、AWSを利用することでどのようなメリットがあるのか、理由について記載していきます。

AWSを選ぶ大企業や官公庁が急速に増えている、その理由は?

AWSは現在、様々な企業で利用が進んでいます。例えば、動画配信サービスであるNetflixでは、映画やアニメなどのコンテンツをAWS製品から世界中に配信しています。また、NASA(北米航空宇宙局)が最近打ち上げて運用している火星探査機「Curiosity」からの映像も、AWS製品を通じて配信されています。

AWSの利用は、大企業だけでなく、日本の官公庁でも利用が拡大しています。日本政府はAWS上に、各省庁が個別に運用してきたシステムを集約し、「第二期政府共通プラットフォーム」として利用を開始しています。このように、様々な場面で利用が拡大している背景には、以下6つの理由が存在します。

1)クラウド市場で世界シェア第1位
2)継続的な値下げ
3)サイジングからの解放
4)マルチAZ(アベイラビリティゾーン)による対障害性の実現
5)RDSを筆頭とするマネージドサービスによる可用性の実現
6)高いセキュリティを確保
それぞれの理由について、具体的に見ていきましょう。

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1)クラウド市場で世界シェア第1位!

AWSのほかにも、Microsoft(Microsoft Azure)やGoogle(Google Cloud Platform)など、様々なクラウドサービスが存在しています。その中でもAWSは2020年現在、クラウド市場世界シェア第1位(シェア率32% (2021年5月調査会社Canalys発表)となっており、デファクトスタンダードの様相を示しています。シェアが第一位ということは、利用事例が多く、エンジニアの確保も行いやすい、という特徴があります。

利用事例が多ければ、構築したいITシステムの要件に対するシステムの設計パターンや運用方法を検索したり、AWSのエンジニアに問い合わせたり、といったことが可能になり、事実上のデファクトスタンダードの利点を最大限活用することができます。システム開発におけるリスクを下げることができるわけです。

また、エンジニアや有識者の確保も行いやすいため、人的リソースに関するリスクについてもある程度軽減することが可能です。このように、世界シェア1位であることで、他のクラウドサービスを利用してITシステムを構築する場合よりも、低リスクでプロジェクトを推進することができます。

2)継続的な値下げ

AWS利用における利点として、継続的な値下げが挙げられます。AWSは、EC2などのサービスの利用料について、サービス開始依頼、現在に至るまで85回以上の値下げを実施しています。なぜ値下げが可能かというと、AWSは『規模の経済』を最大限に活用している企業だからです。

通常、PCなどを1台購入する場合と、1万台購入する場合は、1万台購入したときのほうが、割引や導入にかかる手続等のコストを下げることができます。AWSにおいても、サーバなどの機器を大量購入することで一般企業よりも安く調達し、その分を利用者に還元しています。また、AWSは莫大な研究開発費を毎年投入しています。

一般の企業では考えられない規模の研究開発をおこない、日々サービスや運用の効率化を行っているため、継続的な値下げが可能になっています。

3)サイジングからの解放

通常、ITシステムを設計する際には、ITシステムのユーザー数や利用状況の変動を予測しサーバー等のITリソースを確保しなければなりません。例えば大学受験の合格発表を行うようなシステムは、普段は使わなくても、合格発表時に短時間で大量のアクセスが見込まれるため、合格発表時のアクセス数を予想し、サーバーの台数やメモリ、CPUのスぺックを用意する必要があります。

このような作業のことを『サイジング』といい、多量の労力がかかる割には結果が出にくく、ITシステムの設計時に負担となる場合があります。しかしAWSであれば数クリック、数分でサーバー台数の増減が可能であり、サービス開始時のサイジングの必要性がほとんどありません。

また、Autoscaling(オートスケーリング)という機能を使えば、サーバの台数を自動で増やすことも可能です。たとえば、CPUの使用率が〇〇%になったらサーバの台数を増やす、夜になったらサーバの台数を増やす、といった設定が可能です。サイジングの作業を必要最小限にすることで、ITシステムの構築スピードや初期費用を下げることができます。

4)マルチAZ(アベイラビリティゾーン)による対障害性の実現

AWSは世界中にデータセンターを配置し、サービスを展開していますが、世界を複数の『リージョン』と呼ばれる単位に分割しています。例えば、日本においては『東京リージョン』と、『大阪リージョン』でサービスが展開されています。リージョン間は電力系統が完全に分離されており、あるリージョンで停電などの障害が発生しても他のリージョンでは影響が全くないようになっています。

また、各リージョンにつき、最低2つ以上のデータセンター(アベイラビリティゾーン:AZと呼びます)が存在しており、データセンターを複数利用した冗長構成(マルチAZ構成)も簡単に実現できます。このように、AWSの利用において適切なリージョンやAZを選択することで、データセンター障害や、広域災害でも稼働し続けられるような堅牢なITシステムを構築することができます。

5)RDSを筆頭とするマネージドサービスによる可用性の実現

AWSを活用する利点として、マネージドサービスの利用が挙げられます。マネージドサービスとは、サーバーを管理するために必要な回線やハードウェア、OSの設定などの作業をある程度AWSが行い、利用者に提供しているサービスのことです。マネージドサービスでは、サーバなどが正常に動いているか、といった状態の監視や、パッチ・ファームウェアの適用といった運用をAWSが高いレベルで日々行っています。

そのため、通常の企業が提供する同様のサービスよりも品質や可用性が高くなっています。たとえば、リレーショナルデータベースサービスであるRDSでは他リージョンへのデータ複製や、障害発生時のフェールオーバー(切り替え)をAWS側が自動で行うように設定することができます。また、ストレージサービスであるS3は、データが保存されると自動でデータのバックアップが取得され、データの耐久性が99.999999999%と高いレベルで保障されています。

6)高いセキュリティを確保

AWSのようなパブリッククラウドサービスを利用する際には、セキュリティに関する懸念が生じると思います。しかしながらAWSでは、各種の公的な認証を取得しており、非常に高いセキュリティレベルで運営がされていることがわかります。具体的にはhttps://aws.amazon.com/jp/compliance/programs/に記載がある認証を取得しています。

また、セキュリティ専門チームによるセキュリティインシデントの監視が365日間休まず行われています。そのため、万が一セキュリティインシデントが発生しても、利用者側にメール等による通知が行わるケースもあります。たとえば、アカウントのアクセスキー・シークレットキーといった認証情報をGithubなどに誤ってアップロードしてしまった場合も、AWSが監視をしており、後日通知されるようになっています。

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まとめ

さまざまな企業や官公庁において、ITシステム構築の際になぜAWSが利用されるのか、その理由を解説してきました。AWSが採用される理由は、AWSを採用することで他のクラウドよりも低リスクでプロジェクト推進が可能であることや、コスト面で優れていること、セキュリティ面で不安が少ないことが挙げられます。

また、構築したITシステムに高い可用性を担保できることも理由の1つです。他の企業と同様に、ITシステムをAWSに移行し、ITシステムの開発~運用管理においてAWSのメリットを最大限活かしていくといいでしょう。