AWSとは? その基本(役割と代表的なサービス)を理解する
目次
- AWSとは?
- AWSとはクラウドコンピューティングを使ったサービスのこと
- パブリッククラウドとプライベートクラウドの違い
- オンプレミス(物理)サーバーの違い
- AWSの代表的なサービス①: 仮想サーバーAmazon EC2
- AWSの代表的なサービス②: オンラインストレージAmazon S3
- AWSの代表的なサービス③: フルマネージドデータベースサービス Amazon RDS
- AWSの代表的なサービス④: サーバーレスコンピューティングサービス AWS Lambda
- AWSの代表的なサービス⑤: フルマネージドの運用監視機能 Amazon CloudWatch
- AWSの代表的なサービス⑥: DNSサービス Amazon Route53
- AWSを利用するメリット・デメリット
- AWSを利用するデメリット
- 株式会社スタイルズのAWSサービス
AWSとは?
ITシステムに関係している方なら、Amazon Web Services(アマゾン ウェブ サービス、略称:AWS)というクラウドコンピューティングサービスのことは多少なりともお聞きになったことがあると思います。この記事では、言葉としては知っていてもその内容まではわからない、勉強したことがない方に向けて、なるべくわかりやすく解説していきたいと思います。
AWSとはクラウドコンピューティングを使ったサービスのこと
AWSとは、Amazon Web Serviceの略で、通販大手Amazonより提供されているクラウドコンピューティングサービスのことで、日本では、日本法人としてアマゾンウェブサービスジャパン株式会社が運営しています。
『クラウドコンピューティングサービス』には、サーバやデータベースなどのリソースを、インターネット経由で自在に使用できる、という特徴があります。
同様なサービスの提供者はGoogle(Google Cloud Platform)やMicrosoft(Microsoft Azure)などがありますが、その中でもAWSは世界シェアNo.1のサービスです。
パブリッククラウドとプライベートクラウドの違い
『クラウドコンピューティング』の種類には、大きく分けて『プライベートクラウド』『パブリッククラウド』の2種類が存在します。それぞれどのような違いがあるのでしょうか。
プライベートクラウドの特徴とは?
プライベートクラウドは、自社のみ利用できるクラウドサービスを整備・構築し、利用する形態のことを指します。
利用者は自社しかいないため、自社の業務に応じた独自のクラウド環境を作り上げることができます。そのためカスタマイズ性が高いのが特徴です。
一方で、自社でサーバなどのハードウェア類や、サーバを配置するデータセンターなどを個別に契約する必要があります。また、データセンターやハードウェア類の設置、構築、運用保守といった対応も自社で行っていく必要があります。そのため構築や運用におけるコストが高くなってしまう、サーバー等の柔軟な追加や廃棄が難しい、といったデメリットが存在します。
パブリッククラウドの特徴とは?
パブリッククラウドとは、一般のユーザー及び企業が、AmazonやGoogleが用意したクラウド環境を共有して使うことができるサービスを指します。
他社との共有環境であるため、自社の業務や要件に完全にはマッチしない場合があったり、ハードウェアの故障といったトラブル発生時にクラウド運営会社の対応を待つしかない、といったデメリットもあります。
一方で、クラウド環境の構築に不可欠なサーバやストレージ、ネットワーク機器といった機械類の購入や、データセンターの契約といった対応が不要で、簡単に導入できるため、初期コストやデリバリのスピード面で非常に優れている、といったメリットを持っています。
オンプレミス(物理)サーバーの違い
パブリッククラウド環境とオンプレミス環境はどのような違いがあるのでしょうか。
オンプレミス(物理サーバ)は、自社でサーバの設置、設計、構築、保守・運用を行いながら、オンプレミス上に構築したアプリケーションの構築、保守・運用を行っていく必要があります。つまり、アプリケーションとサーバの両方を運用・保守する必要があります。また、オンプレミスはCPUやメモリの追加といったリソースの増強作業は非常に手間と時間がかかります。
パブリッククラウド環境であれば、先述のように機械の設置から運用保守はクラウド提供者が行いますし、CPUやメモリといったリソースの変更もワンクリックで容易に実施することができます。
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AWSの代表的なサービス①:
仮想サーバーAmazon EC2
EC2とは「Amazon Elastic Compute Cloud」の略称で、AWS上にLinuxやWindowsベースの仮想サーバを自由に構築できるサービスです。IaaS(Infrastructure as a Service)といって、サーバ1台をまるごと利用できます。数クリックでサーバを構築できるため、オンプレミスでサーバを用意するよりも圧倒的に速いスピードでサーバを用意することができます。また、Elastic(伸縮性、弾力性の意味)と名がつくように、サーバの台数、メモリやCPUなどのスペックを柔軟にワンクリックで変更することができます。
AWSの代表的なサービス②:
オンラインストレージAmazon S3
S3とは「Amazon Simple Storage Service」の略称で、オブジェクトストレージの1種です。格納するデータ上限は”無限”となっており、容量を気にせずデータを格納することができます。また、データの耐久性は99.999999999%(イレブンナイン)となっており、安全にデータを格納することができることも特徴です。また、暗号化やデータアーカイブの機能、Webサイトの代わりとなるホスティング機能も備えており。多様なユースケースに対応しています。
AWSの代表的なサービス③:
フルマネージドデータベースサービス Amazon RDS
RDSとは、「Relational Database Service」の略で、AWS上で利用できるRDBMS(Relational DataBase Management System)の1種です。PostgreSQLやMySQLのようなオープンソースのデータベースや、Oracleなどの商用データベースなど、様々なデータベースエンジンを選択できます。
通常のサーバにデータベースをインストールする場合とRDSとの違いは、RDSはPaaS(Platform as a Service)といって、OSやミドルウェアの設定、ライセンス管理などの保守作業はAWSが担当しています。したがって、機能が一部制限されてしまうものの、保守・運用は圧倒的に楽になっていることが特徴です。
AWSの代表的なサービス④:
サーバーレスコンピューティングサービス AWS Lambda
Lambda(ラムダ)とは、AWSで利用できるサーバレスアプリケーション用プラットフォームです。”サーバレス”という用語を出しましたが、これは利用者がクラウドにあるサーバの存在を意識しないでよい、ということです。クラウドを利用する形式には、EC2のようなIaaS、RDSのようなPaaSなど、様々な種類がありますが、こちらはFaaS(Function as a Service)という、アプリケーションのプログラムコードだけ利用者側で管理すればよい、というクラウドの利用形式です。
したがって、利用者側ではサーバを意識する必要がありません。プログラムコードだけを用意すればアプリケーションをするに実行できるため、非常に高速なアプリケーション開発が可能になります。
AWSの代表的なサービス⑤:
フルマネージドの運用監視機能 Amazon CloudWatch
Cloudwatchとは、AWSで提供されている監視サービスです。AWS上に構築したサーバやアプリケーションの状態をモニタリングする事ができます。従来、システム管理をするためには、オープンソースのZabbixなどのシステム監視ツールが利用されてきました(現在でも利用されています)。
しかし、AWSの場合は、Amazon CloudWatchが運用監視サービスとして標準で準備されています。Cloudwatchの機能は、システムの監視だけでなく、ログを保存するCloudwatch Logs、アラートを発信するCloudWatch Alarm、リソースの変更を示すシステムイベントをリアルタイムに取得し、イベントに応じたアクションを自動化したりスケジューリングしたりすることができるAmazon CloudWatch Eventsといった様々な機能を有しています。これらの機能を組み合わせることで、例えば一定のCPU利用率になったらアラートを発してサーバの台数を増やす、といったAWS上の運用作業を自動化することができます。
AWSの代表的なサービス⑥:
DNSサービス Amazon Route53
Route 53は、ドメイン名登録やドメイン名をIPアドレスに変換するサービスです。「ドメイン名をIPアドレスに変換する」とはどういうことかというと、Googleの検索ページを出すときに、アドレスバーに「google.com」のように入力したものを、実際のIPアドレスに変換する、ということです。電話帳をイメージするといいかと思います。Route 53は、可用性100%(つまり、使えない、という状態が絶対にない)が保証されていて、いつでも利用できるという特徴があるサービスです。
AWSを利用するメリット・デメリット
これまでAWSの基本的なサービスを見てきましたが、これらを利用することによって、どのようなメリット、デメリットがあるのかをご紹介します。
AWSを利用するメリット
- コスト
実際に物理サーバを購入するといったことを行わなくていいため、調達や運用におけるコストを圧倒的に下げることができます。 - セキュリティ
AWSが提供する様々なセキュリティサービスを組み合わせることによって、強固なセキュリティを確保することができます。 - 調達スピード
サーバであれば数クリックで立ち上げることができるなど、調達スピードが圧倒的に高速です。 - 拡張性
サーバの台数、メモリ、CPUなどの各リソースは数クリックで変更できます。 - パフォーマンスの効率性
リソースに拡張性があるため、CPUやメモリなどを最適な状態に保ち続けることができます。 - ビジネスへの集中
物理的な機械の運用に人的リソースを割く必要がないため、本来のビジネスにリソースを集中することができます。
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AWSを利用するデメリット
- 多様なサービス群=設計ノウハウが必要
AWSは利用できるサービスの数が多いうえに、日々アップデートが行われ、新機能や新サービスが発表されています。そのため、設計にはある程度の知識やノウハウが必要です。 - 変動するコスト
AWSは基本的に使った分だけ課金されるため、事前に予算を完全に正確に見積もることが困難です。 - トラブル時の解決
構築中のトラブルや、運用時に時折発生するAWS側の障害によるサービスの停止を防ぐには有料サポートによる支援や、知見があるベンダーへの依頼が必要になります。
株式会社スタイルズのAWSサービス
株式会社スタイルズは、AWS Partner Network(APN)パートナーとして、AWSへの移行、構築コンサルティングから運用代行、更にセキュリティやサーバーレスによる開発までの多数の実績を持ち、広範囲のサービスをご提供しています。是非、お問い合わせください。